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狛犬

狛犬



御影石の鳥居の下から
石の段々を四つ五つのぼると
からかねの狛犬がにらみあっている。
社殿の焼けたあとは
雑草のなかにケヤキとエノキのひこばえが
敷石をうずめている。
ありし日のものものしさにも似ず
そこは意外にせまく。
集まってきて日ノ丸の旗をふり
万才、万才と送り出したことを誰が思い出すか。
うっそうと茂っていた老木たちも
火に焦げ、伐り倒されて、薪になった。
のこっている石の鳥居と
おどけているみたいな狛犬だけでは、
神様の跡ともおもえない。
背丈ほどのびた麦畑のうえを風が吹きぬける。
なんという五月のあかるさだ。
                  (1947)



秋山清 未刊詩集/菊科の雑草

プロフィール

梅田慈将

Author:梅田慈将
ただ生きているということは、生きる、ということではない。そのままそこで死んでいるような、つまらない男です。

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