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砲身

砲身



少年の日の夢であった戦艦陸奥が
海から引揚げられていた
かつて火蓋を切った双つの砲口から ドッと
海水が流れ出てきた

 あんな凄い涙は見たことがない

ある日 京都嵐山の美術館を訪ねると
その巨大な砲身が 屋根のない展示場に
飾られていたのだった
「戦艦陸奥の主砲、砲門をひらけば、弾丸は京都
大阪を越えて兵庫県宝塚の地に達する」と
そんな説明札に飾られて
しずかな砲口は
その日の鉛色の空を見上げていた。




杉山平一/詩集「木の間がくれ」

プロフィール

梅田慈将

Author:梅田慈将
ただ生きているということは、生きる、ということではない。そのままそこで死んでいるような、つまらない男です。

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