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落花

落花



日曜日の朝の新聞からは
大売出しのチラシ広告が十枚ほども
落ちてくる。

デフレの枝から舞い降りる
この薄っぺらい花びら
鼻にあてると中小企業者の血の匂いがする。

さくら、さくら
散るのが美しいとほめ讃えた国に
おちるがいい
花びら

いのち
死の灰

しかし手には利益が残らなければならないのだ
それがこんにちの商売というものである。

福引券進呈!
十ヶ月月賦大奉仕!
感謝大売出し!

待った、
これが感謝か
追い詰められた人間のする
何というかけ引きいっぱいの感謝、
美しかった言葉の
おちぶれ果てた姿をとっくりと見よう。

それからチラシを裏返す
裏に下手な文句を書き
父母姉弟がひとつ家にかさなって
辞典のように重たくなった私の暮らしにさしはさみ
思い出のしおりにしようというものだ。




石垣りん 詩集/「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」

プロフィール

梅田慈将

Author:梅田慈将
ただ生きているということは、生きる、ということではない。そのままそこで死んでいるような、つまらない男です。

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