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夏の本

夏の本



夏が
一冊の書物のように
厚みをおびてきた。

一年が
一枚の紙のように
薄くなってきた。

去年咲いたおしろい花が
同じ場所にことしも咲きそろっている
同じ色で。

時は過ぎ去ることなく
本のページを繰るのに似て
ただ重なる。

そうして物語は
終わりに近づくのであろうか。

私は背中のあたりに
大きな手のひらを感じる。
なぜなら
私の一日はいつも前のほうで
ふしぎに開かれていたから。




石垣りん 詩集/「略歴」

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梅田慈将

Author:梅田慈将
ただ生きているということは、生きる、ということではない。そのままそこで死んでいるような、つまらない男です。

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