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四つ葉のクローバー

四つ葉のクローバー



クローバーの野に坐ると
幸福のシンボルと呼ばれているものを私も探しにかかる
座興以上ではないにしても
目にとまれば、好ましいシンボルを見捨てることはない

四つ葉は奇形と知ってはいても
ありふれて手に入りやすいものより
多くの人にゆきわたらぬ稀なものを幸福に見立てる
その比喩を、誰も嗤うことはできない

若い頃、心に刻んだ三木清の言葉
<幸福の要求ほど良心的なものがあるであろうか>
を私はなつかしく思い出す

なつかしく思い出す一方で
ありふれた三つ葉であることに耐え切れぬ我々自身が
何程か奇形ではあるまいかとひそかに思うのは何故か




吉野弘 詩集/「陽を浴びて」


プロフィール

梅田慈将

Author:梅田慈将
ただ生きているということは、生きる、ということではない。そのままそこで死んでいるような、つまらない男です。

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